4月6日、日本の援助で建設された「つばさばし」が開通しました。橋の建設事務所によると、一日の通行量は5,000台前後で、開通当初よりは減りましたが、今も行きかう人たちが車やバイクを停めて、景色を見たり、記念撮影を行ったりする姿がたくさん見られます。

 現在は、つばさばしのたもと、ヌオン・ロン医師の真新しい小さなクリニックができ、赤ちゃんを抱いた女性やお年寄りが集まっています。ロン医師のクリニックがこれまで、少し離れたフェリー乗り場の近くで開業していましたが、4月につばさばしの近くへ移転しました。ロン医師によると、橋向こうの患者さんが増えました。

 他にも、橋ができてから、様々な変更がありました。例えば、農家のフン・マン さんの娘一家がプノンペンの工場で働いているのだけど、橋のおかげで川向うにあるプレイベンの実家に来るのが簡単になりました。有料のフェリーは3時間ぐらい待つこともありました。つばさばしは、ホーチミン市へとつながる国道1号線の一部であり、南部経済回廊の物流を担う重要な橋でもあります。それについては、プノンペンに駐在する物流会社の担当者が「輸送時間の短縮に加え、これからベトナムからの物流量が増加したり、ベトナムの企業がカンボジア市場に目を向けたりすることが増えていくと思います」と、話しています。

 また、その先、国道1号線沿いのベトナム国境にある街・バベットには、経済特別区があり、多くの日本企業が進出しています。「橋ができる前、夜間にはフェリーも運航せず、ベトナム国境も閉まるため、バ ベットは陸の孤島と呼ばれていました。橋のおかげでその閉塞感が薄れ、交通の利便性向上とともに、住む人の気持ちにも変化をもたらしたようです」という声がバベットで働く日本人から出ています。

 橋ができる前、順番待ちの長い車列ができていた少し離れた場所にフェリー乗り場がありました。フェリー が廃止された今、乗り場は閑散としていました。フェリー客相手に飲み物や食べ物を売っていた人たちは姿を消しました。「タイへ出稼ぎに行った人が多いよ」 と、近くに商店を持つ人が言います。橋の近くへの移転も考え人もいますが、家や土地が1.5倍ほどに値上がりしていて「なかなか手が届かない」。




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